台湾の公共交通5〜バス〜

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台湾で見たバスの様子をまとめてみました。

バス停のサイン

台北市内のMRTとの乗り換えポイントになる、「MRT士林駅(捷運士林站)」バス停です。行き先別に複数の標柱が並んでいましたが、「○番のりば」のようなのりば番号での案内ではなく、発着するバスの系統番号が大きく表示されていました。系統番号は3桁のものが多いですが、「紅12」のような漢字1文字+数字2桁のパターンもありました。(日本では東京のバスの漢字1文字+数字2桁のパターンは非漢字圏からの訪日外国人に分かりにくいという話がありますが、台湾にもこのパターンがあるのですね。)

バス停には、電光掲示板に系統ごとに以下の案内がありました。

  • まもなくバスが到着予定
  • あと○分でバスが到着予定(数分〜数十分程度で到着予定の場合)
  • ○時○分にバスが到着予定(夕方までバスの便がないなど、すぐには来ない場合)
  • 本日は運行なし
  • 本日の運行は終了

台北市内や、九份の最寄りの瑞芳駅から九份に向かう途中で見た限りでは、主要なバス停以外にもだいたい電光掲示板がありそうでした。(フルカラーLEDのものは少なかったですが。)

言語は、中国語の他に主要なバス停では英語の案内もありました。

その他の台北市内のバス停の電光掲示板の例です。

次は「故宮博物院」のバス停の様子です。モニターに簡単なバス路線図とバスの現在地が表示されていました。系統ごとの路線図もひととおり貼ってありました。

こちらは「MRT中正紀念堂駅(捷運中正紀念堂站)」バス停に掲示の路線図です。手前のバス停部分はグレーにして、これから進む先のバス停が分かりやすいようになっています。バス停名は基本的に中国語のみですが、主要なバス停6つは赤の数字の1〜6を振って、右下に赤字で英語のバス停名が書いてありますね。路線の上にカッコ書きで道路の名前(「中正路」など)も書いてあって、できるだけ参考になる情報を盛り込もうとしているのが分かります。

バス車内

台湾のバスは悠遊卡などの交通系ICカードがよく使えます。車内にICカードリーダーがあるので、そこにタッチします。

ICカードをタッチするタイミングはバス路線によっていくつかに分かれているようです。

「一段票」(票は切符の意味)と表示されている場合は均一運賃です。乗車時にタッチして支払う「上車収費」と下車時にタッチして支払う「下車収費」の2通りあるようです。

「二段票」と表示されている場合は運賃が2段階になっています。下の写真は二段票の路線図ですが、路線図の線が赤色になっている区間と青色になっている区間の2つのゾーン(Fare Zones)があって、片方の色の区間のみの場合は1段分の運賃、両方の色の区間にまたがって乗る場合は2段分の運賃になります。その間の部分に赤と青の両方の色になっている緩衝区(Buffer Zone)というのがあって、片方の色の区間と緩衝区の区間だけなら1段分の運賃になるようです。2段分の運賃を払う場合は乗る時と降りる時の2回タッチすればいいようです。

車内に二段票の支払い方法の説明も書かれていました。始発停留所から見て前半のゾーンでは乗る時に支払って、後半のゾーンでは降りる時に支払うようです。

次は「三段票」の路線図です。路線図の線が3色になっていて、緩衝区は2色の線になっています。基本、乗る時と降りる時にICカードをタッチすればいいようです。

次のバス停で降りたいときは、日本でもおなじみの「次とまりますボタン」(下車鈴と書かれていました)を押します。

瑞芳駅でバスに乗り換え

九份に行くときに鉄道からバスに乗り換えるポイントの瑞芳駅です。バス停が駅から少し離れていたのですが、乗り換えの導線を考慮して案内が充実していました。

まず、瑞芳駅で電車を降りて改札を出ると、目の前にバスの発車案内の電光掲示板が目に入ります。バス停まで行かなくても、バスの運行状況がよく分かります。

バス停に行く途中も、多言語の案内があって安心です。

バス停にも案内が充実していて、すごい行列でしたが安心して待てました。

道路中央のバス専用レーン

台北市内には、道路中央にバス専用レーンがあるところがありました。

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5月3日(金)の午後、電車とバスを乗り継いで日本人に人気の観光地、九份へ行ってきました。九份は週末は大混雑とのことだったので金曜日に行ったのですが、日本の10連休の影響かこの日も大混雑で、バスに乗るのも苦労しました。

台北から九份への行き方

台北から九份(ジオフェン)へ行くには、いくつか選択肢があります。

  • 台北市内から九份老街へ直行する高速道路経由の快速バスに乗る
  • 台北市内から九份老街までタクシーで直行する
  • 台北駅などから台鐵(台湾の在来線鉄道)で瑞芳(ルイファン)駅まで行き、そこから九份老街までバスに乗る
  • 台北駅などから台鐵(台湾の在来線鉄道)で瑞芳(ルイファン)駅まで行き、そこから九份老街までタクシーに乗る
  • 台北市内発の日帰りツアーに参加する

今回は、とりあえず行きは台鐵で瑞芳駅まで行き、そこからバスに乗りました。帰りは直行の快速バスに乗ろうかと思いましたが、大混雑のため紆余曲折(後述)があり、最終的に帰りも同じルートで帰ってくることになりました。

台鐵で瑞芳駅へ

日本のJR在来線に相当する台湾の鉄道は「台鐵」と呼ばれ、国営の台湾鉄路管理局(TRA)が運行しています。台北市内にはいくつか駅がありますが、今回は台北駅から乗車しました。

今回は座席指定不要の普通列車(區間車)に乗るので、特に紙のきっぷ等は買わずに交通系ICカード「悠遊卡」を台鐵の自動改札にタッチして地下ホームに行きます。台湾は情報案内がとても充実していて、迷わずホームに行けます。定刻どおり運行しているかも中国語と英語で表示されているので、とても安心です。所要時間案内もありました。

なお、台湾ではホームののりば(月台)の番号のつけ方が日本と少し違います。日本では1つの島型のホームの両サイドののりばをそれぞれ「1番のりば」「2番のりば」という風に番号が付いていますが、台湾の場合は島型のホーム1つに対して「1」と番号が付いていて、両側ののりばに対してはアルファベットのAとBで区別して、「1A 月台」「1B 月台」というふうに表記します。

8両編成の普通列車(區間車)が来ました。先頭は日本の特急のような流線型をしていました。先頭車両には自転車を乗せるスペースも4台分ありました。14:52に出る電車は空いていて、瑞芳駅までの約50分間、ゆったりと乗れました。

約50分で瑞芳(ルイファン)駅に到着しました。このあたりは炭鉱が多いようです。

瑞芳駅からバスで九份老街へ

瑞芳駅の改札を抜けると、すぐにバスの発車案内のディスプレイがありました。バス停まで少し距離があるのですが、日本と違ってちゃんと電車からの乗り換えの導線に案内があるので安心ですね。瑞芳駅周辺を少し散策してからバス停に向かいましたが、途中にも看板がありました。そしてバス停に着くと、長蛇の列…

結局3本ほどバスを見送ってから乗車できました。この間も、バス停には発車案内があり、安心して次のバスを待てます。瑞芳駅から九份老街まではローカルバスと台北市内からの快速バスの両方があり、私の乗ったバスは台北市内からの快速バスでした。瑞芳駅から九份老街までは高速道路を通らないので、立ち席で乗れました。長距離を走るバスのため、乗車時と下車時の2回ICカードをタッチして乗車区間に応じた料金を精算する方式でした。

九份老街の手前で少し渋滞しましたが、無事到着しました。到着後は夕暮れどきの九份を散策しましたが、暗くなるころが一番人気の時間帯のため、途中30分ほど身動きが取れないほどの中を歩きました。

九份老街から瑞芳駅へ

九份ではゆっくり夕食を食べ、20時台に台北に帰ることにしました。遅くなったので、台北市内へ直行するバスに乗ろうと思ったのですが、バス停に行くと長蛇の列でした…

とてもバスに乗れる状況ではないと思い、タクシーで瑞芳駅まで行くことに計画変更。しかしここでまた問題発生。空車のタクシーはいるのですが、どのタクシーも近隣の瑞芳駅までの客は乗車拒否。長距離の台北市内まで行く客しか相手にしていないようでした。バス停から離れたところにいた普通のタクシーは、台北市内までの定額料金を提示して、バス停付近には7人乗りの大きなタクシーが、1人あたり250元〜350元程度の料金を提示して客を集めてました。1台に6人客を乗せたとしたら1人250元でもメーター料金程度の収入になるのかもしれません。250元が底値のようで、この値段で客が集まらなかったらあきらめていたようです。

このような状況なので、タクシーもあきらめて再度バス停へ。確かにバス停は長蛇の列なのですが、台北市内までの直行バスはおそらく高速道路を通るため着席が必要で多くの客を乗せられないようで、よくよく待ってたらローカルバス(瑞芳駅経由の基隆行き)はガラガラですぐに乗れ、瑞芳駅までたどり着くことができました。帰りのバスはローカルバスのため、乗車時のみICカードをタッチする方式でした。

瑞芳駅から台北へ

瑞芳駅からは、21:34発の普通列車で台北駅へ。駅に着いてみると、電光掲示板にはこの列車は10分遅れと表示されていました。台湾は電車もバスも運行情報が明確に表示されているので安心できます。

列車を待ってる間は、反対方面の特急列車や、台北方面の途中駅八堵止まりのディーゼル列車などが発着していきました。乗った普通列車は、とても空いていて、九份のバスの長蛇の列が嘘のように快適でした。

まとめ

事前にネットなどで調べた情報では、

  • 台北から九份への直行バスは道路の渋滞で遅れる
  • 台鐵で瑞芳駅まで行きタクシーに乗るのが一番便利

とのことだったのですが、今回の状況も付け加えると、

  • 台北〜九份の直行バスは満員でなかなか乗れない可能性あり
  • 九份から瑞芳駅まではタクシーは乗車拒否される可能性あり

ということになります。

おまけ

九份の様子。

九份のゴミ収集車がメロディを鳴らしてやってきました。

台湾の九份のゴミ収集車のメロディ

台鐵の普通列車のドア横にはドアボタンがありますが、これは乗客用ではなく、車掌さんが鍵をさして列車全体のドアの開閉をするためのボタンでした。車掌さんは車内を回りながら、最寄りのドアから列車全体のドアの開閉をしていました。

台鐵の車掌用ドアボタン

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高岡発着バス路線を更新しました

高岡から砺波方面の加越能バスの経路が変更になったので、この機会に高岡発着バス路線図を大幅に更新しました。

  • 戸出、砺波付近の経路変更に対応しました。
  • 今までは1時間に1本以上のバス路線のみ掲載していましたが、1時間に1本未満のバス路線を細線で追加しました。
  • 路面電車(万葉線)を追加しました。

http://norimono-adviser.com/takaoka/

環水公園、富山県美術館延伸に対応

富山主要バス路線図、4月1日の地鉄の環水公園、富山県美術館延伸に対応しました。

http://norimono-adviser.com/toyama/

富山県美術館へは、31系統笹津方面発、総曲輪、富山駅、富山県美術館経由の赤十字病院行きが20分ごとに運行しています。

富山駅北口から富山県美術館まで徒歩で14分かかるので、バス利用が便利かもしれませんね。